花祭壇とは、花で作られた祭壇のことです。
祭壇にはお遺影やお供え物を飾って故人を偲び供養します。
出典:plaza-oono.com
葬儀は生花祭壇で「故人の好きな花」や「思い出のある花」でおくるのもいかがでしょう。
ここでは花祭壇の歴史と意味から花祭壇のイロハもまとめます。
目次
「宗教で異なる」花祭壇
花祭壇は仏式と神式でも異なります。
仏式であれば祭壇の前にお坊さんの経机(きょうづくえ)が置かれます。
神式の場合はお花と十字架の前に祭壇が設置されて、祭壇には食べ物や織物などのお供え物、白い花々が飾られます。
葬式で用いる花は菊などがありますが、近年はカラフルな洋花や造花も使って値段を抑えつつ華やかにする人も多いです。
花祭壇の起源(意味)はネアンタール人
花祭壇の起源はネアンデルタール人の時代にまで遡ります。
古代にはネアンデルタール人の遺体(化石)の傍に花の種子が見つかったことがありました。
洞窟の中は、植物が育つような場所ではありません。つまり、その時代から故人の弔いにはお花の存在がありました。
最近では少子高齢化社会の核家族化の影響により、宗教や価値観も多様化して「どのような葬儀にも花祭壇が選ばれる」ことが増えました。
伝統的な祭壇「白木祭壇」「生花祭壇」
白木祭壇は白木の輿にお棺を入れて運び、棺を輿(こし)に入れて担いだことに由来しています。
※輿(こし)とは棺を納めて担ぐためのものです。
白木祭壇は使いまわしの利く一方で人件費がプラスされています。
しかし葬儀会社によっては、白木が傷まないように職人さんに手入れをお願いしているところもあります。
どっちにしても高くつくのであれば、華やかな雰囲気のある花祭壇で故人を見送るのもおすすめです。
花祭壇の設置会社「選ぶポイント」
設置会社は思いやりはもちろんのこと「企業努力や安心のサポート体制、要望」に合っているかどうか、高いデザイン性・価格・迅速な対応等も総合的に見て判断する必要があります。
花祭壇のデザインはベーシックなものであれば問題なし。一般的には5年以上経験している人に頼むと納得のいく花祭壇にしてもらえることが多いです。
デザイン性にもこだわる人は、その設置会社で働いている人の資格や経歴も参考にするのはいかがでしょうか?
花祭壇の見せ方「造花に注意」
花祭壇は一般的に祭壇の大きさとお花の種類、デザインで構成されます。
一般的な祭壇の大きさは1~2段、横幅は1.5~3.5m程度です。
相場は安いものであれば20万円程度に抑えられるものの、造花の場合もあるので気を付けましょう!
華やかな花祭壇には80万円程かかると思っていた方が良さそうです。
※生花は季節や収穫の年によっても相場が変わります。
《花祭壇のデザイン》
出典:fujihall.co.jp
花祭壇は「威厳のある白木祭壇」に比べて「立体的で美しい曲線を描くことを得意としている祭壇」でもあります。
花祭壇は「前面に見せるタイプ」から「遺影の周りを囲むように花を飾るもの」「立体的に見せるもの」「曲線を描くもの」「祭壇の周りにも飾るタイプ」など様々です。
最近では子供用の祭壇にキャラクターを用いたり、旦那さんの趣味だったゴルフをあしらった祭壇もあります。
白木か花祭壇か、選べないという方には「白木祭壇に豪華な花々をあしらった花祭壇」はいかがでしょうか?
花祭壇以外のお花「種類」
葬儀に飾る花には以下のようなものもあります。
●献花とは祭壇に備えるお花のことです。神式ではお焼香の代わりになります。
※花は予め用意されています。
●枕花はお通夜の時に枕元に並べられるお花です。
遠方の方の急ぎの対応としても好まれています。血縁者や故人と親しい人のお供えにも最適です。
枕花は「小籠に白い花」が一般的です。
《枕花と供花の違い》
●枕花と似た意味を持つものには供花(くげ・きょうか)があります。供花は葬儀場によく並べられるものです。お悔やみの気持ちを表すものになります。
枕花は葬儀後も個人の自宅に持っていき、忌明けまで飾ります。
訃報からお花の用意まで
訃報を受けたら、盛花やカゴ花等のアレンジメントはお通夜の前に届けられるように手配します。
価格は5000~20000円内で、故人宅には10000円程度で用意してもらうことがあります。大きさも会場に合った適切な大きさのものを選びましょう。
※準備が良すぎるのも失礼にあたるので気を付けましょう。
《花の意味合い》
祭壇や会場を花で飾ることは、遺族の悲しみを和らげる意味合いがあります。
お花は白い花が一般的ですが、お葬式によく使用される花であれば色が入っていても構いません。
「地域によってはよく使用されるお花もある」ので予め聞いておくと良いでしょう。
花祭壇の花「選び方」
定番の花といえば菊、トルコキキョウ、ラン・百合、カスミソウ、カーネーション等があります。
最近の花祭壇では男性であればブルー、女性であればピンクの花でアレンジすることもあります。
バラのような棘のある花は棘を抜いてから使用することが多いようです。
花祭壇「後飾りの祭壇」
四十九日や忌明けまで「遺骨を安置する祭壇には後飾り」があります。
後飾りには、花祭壇と同じように遺影やお供え物、供花、線香や果物等の供物(くもつ)、燭台(ろうそくの土台)を飾ります。
これは故人への哀悼の意を表するほか、通夜や葬儀に会葬できなかった人が礼拝に来ることもあります。
《後飾りの祭壇・花》
後飾りの祭壇は本葬の花祭壇と異なり「机程の大きさ」であることから、供花も「卓上に置ける大きさ」が良いでしょう。
※お花は、長期間傷みにくい花を選ぶのがおすすめです。
花の本数は3本、5本、7本のように奇数が良いとされています。
菊の花は「花びらが散らずに長持ち」して「邪気を払う」とも言われています。カーネーション等でも問題はありません。
花祭壇のお花は、枯れたら取り除いて新しいお花を追加します。
まとめ
花祭壇は、昔から使用されている祭壇の種類です。
近年は花祭壇も多様化して、色々な国籍や宗教、弔いのスタイルで遺族の悲しみも和らげています。
お花も「故人が好きだったお花」や「季節のお花」「花言葉を用いたもの」等で故人を送れば、遺族の気持ちの整理・気持ちを切り替えるきっかけにもなると思います。
古代から親しまれてきた花祭壇は、人を選ばない祭壇なので故人との別れにもおすすめの祭壇です。