仕事前の一杯としても飲みたいコーヒー。
しかしコーヒーには「薄毛を進行させる効果がある」とも言われています。
実際、薄毛のコーヒーにはどのような関係があるのでしょう。
コーヒーと薄毛の関係
コーヒーには「薄毛や抜け毛を進行させる」という話を聞いたことがある人もいるでしょう。
社会人になると毎日のようにコーヒーを愛飲している人も多いのではないでしょうか。
それが「薄毛にも影響する」と言われたら美味しく飲めなくなってしまいますよね。
でも安心してください!コーヒーを飲んだだけで薄毛になることはありません。
ではどうしてそのような噂がたつようになったのでしょう。
薄毛とコーヒー「カフェイン」
コーヒーと聞いて最初に思いつく成分にはカフェインがあります。
カフェインには適度に覚醒(かくせい)させてくれる作用やリラックス効果があります。その為、集中したいときには眠気を飛ばして集中力を上げることが期待出来るでしょう。
しかし、一日のカフェイン摂取量の目安を超えて飲み過ぎたり、夕方以降に飲むと良質な睡眠に影響を与えることがあります。
健康的な髪の毛には睡眠と成長ホルモン、髪への栄養素を作る作業も大切です。
そこから「(睡眠の質が悪くなることで)コーヒーを飲むと薄毛になる」と言われるようになったのではないかとされています。
ただし、これには体質やストレス等の様々な要因が関わってくるので、一概に「コーヒーを飲むと薄毛になる」とは言えません。
薄毛とコーヒー「成長ホルモン」
成長ホルモンには、毛母細胞の活性化や頭皮・髪のダメージを修復する効果があります。
それが睡眠の質の悪化、良質な睡眠が妨げられると「薄毛を進行させる」ことにもなるのです。
つまりコーヒーと薄毛の関係で薄毛になるとは言えないものの、睡眠不足や睡眠の質の悪化は薄毛に影響を与えることが分かります。
薄毛に悩んでいる人は、バランスの良い食事と良質な睡眠・適度な運動で規則正しい生活を心掛けると良いでしょう。
《成長ホルモンの分泌時間》
良質な睡眠には就寝時間と睡眠時間が関わっています。
因みに成長ホルモンが多く分泌される時間帯は22時~26(翌2時)です。
この間に睡眠がとれない人も、自分の生活リズムでまとまった睡眠(3時間半以上)取れれば大丈夫!
コーヒーは睡眠の質に悪影響を及ぼさないように飲む時間と量には気を付けましょう。
薄毛とコーヒー「カフェインの持続時間」
これまで語ってきたコーヒーに含まれるカフェインの持続効果は5時間程とされています。
カフェインの持続時間にも個人差が出ますが、睡眠5時間前にはコーヒーを飲むことを控えたいですね。
他にもカフェインが含まれている緑茶・紅茶・コーラ等も自分の体質に合った量や飲むタイミングで適度に楽しみましょう。
薄毛とコーヒー「亜鉛の吸収」
カフェインには他にも亜鉛の吸収を妨げる効果があります。
亜鉛は皮膚・粘膜の維持に必要です。髪の毛の90%はケラチンで出来ています。
そして、亜鉛は髪の主成分「(たんぱく質の一種の)ケラチン」の合成にも関係しています。※ケラチンも健康な皮膚を保つ上で欠かせないものです。
つまり、亜鉛の吸収が妨げられることで「健康な髪・頭皮を保ることができなくなる=薄毛になる」と考えられるようになったと言えるでしょう。
因みに、コーヒー以外にも亜鉛の吸収を妨げるものには「食物繊維が豊富なもの」「カルシウムの過剰摂取」等があります。
その為コーヒーのカフェインが直接薄毛に悪影響を及ぼすとは考えにくいです。
薄毛とコーヒー「亜鉛」
亜鉛と薄毛の関係では、亜鉛はAGA(男性型脱毛症)の原因のDHT(ジヒドロテストステロン)を予防してくれる効果も期待できます。
DHT(ジヒドロテストステロン)は「男性ホルモンのテストステロンと5αリダクターゼという酵素が結合することで生成」されますが、亜鉛には5αリダクターゼを抑制する働きがあるのです。
それが亜鉛不足に陥ると「ジヒドロテストステロンが作られやすくなり抜け毛を促進させる」ことになります。
コーヒーの飲み過ぎでは「亜鉛の吸収を阻害すること」を助長させないように気を付けましょう。
薄毛とコーヒー「食事と一緒に飲まない」
前述の通り、コーヒー自体は「薄毛に悪影響を及ぼす」とは考えにくいものの、「カフェインの摂りすぎは亜鉛の吸収を妨げる」ことが分かります。
亜鉛以外では、コーヒーに含まれる(ポリフェノールの一種)タンニンも「鉄と結合することで鉄の吸収を妨げる」ことが分かっています。
これもコーヒーが直接「薄毛に悪影響を及ぼす」わけではありませんが、カフェインやタンニンの過剰摂取は健康な髪に必要な栄養素を摂取しづらくすることは確かです。
身体を作る栄養素を補給するためにも、コーヒーは食事と一緒に摂らないようにした方が良いでしょう。
薄毛「コーヒーの良い効果」
これまで「コーヒーが薄毛に与える影響」について解説してきましたが、一方で「コーヒーには(以下のような)育毛効果がある」とも言われています。
・コーヒーに含まれる「クロロゲン酸(ポリフェノールの一種)」の血管拡張作用が頭皮の血行を改善。
・コーヒーに含まれる「カフェイン」の利尿作用では、汗や尿でAGA(男性型脱毛症)の原因のDHT(ジヒドロテストステロン)を排出する。
実際にも海外の大学では「コーヒーと育毛効果」についての研究が発表されています。
しかし「クロロゲン酸」の持続効果は3時間程です。また、効果を発揮できたとしてもコーヒーの摂取量も多くなります。
そして飲み過ぎればカフェインの悪影響も考えられるのです。
コーヒーが「薄毛の進行や育毛効果に直接影響がある」とは言い切れませんが、心身の健康を保つためにも適量で楽しむことが何よりと言えるでしょう。
まとめ
コーヒーは薄毛に直接悪影響を及ぼすわけでは無いことが分かりました。
クリニックでもカフェインが直接薄毛に影響を与えるという話は聞いたことが無いという回答。
つまり「コーヒーでハゲる」という信ぴょう性や「コーヒーと薄毛を検証した例」も無いので、コーヒーが薄毛に関係するとは断定できないことが分かりました。
しかし、コーヒーは飲む量や時間帯によっては健康を害することがあります。
コーヒーは飲みたい時・飲んでも差支えの無いタイミングに適量に抑えて、丁度良いリラックス効果等を得るのはいかがでしょうか。